我々は、不寛容で、不平等で、不安定で、
危険に満ちた世界に生きている。
うまくいった事ない、人を好きになったことない、
確かな手応えなんか感じたこともない。
欲張ればいい、無理してもいい、地に足つけなくていい、彼方に翔ぼう。
肩の荷が軽くなる。“生きる”ってさほど難しくないかも!
まずはご飯を食べよう。

『ふゆの獣』の内田伸輝監督最新作。

製作費110万円の自主映画『ふゆの獣』で第11回東京フィルメックス最優秀作品賞受賞し、一躍脚光を浴びた内田伸輝監督最新作にして本格商業デビュー作。ヒロイン・キヨミに山崎真実(『ボックス!』『シーサイドモーテル』)。寡黙なマサルに波岡一喜(『一命』『探偵はBARにいる』)。翻弄される男たち、タツヤに渋川清彦(『ナイン・ソウルズ』 )、シンジに映画初出演の“劇団鹿殺し”山岸門人。老女キヌを60年の芸歴の森康子(『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』)。そして田中要次、津田寛治と日本映画界になくてはならない個性派が出演。音楽は『三年身籠る』『ポルノチック』シリーズ等の野崎美波。

陽光を浴びるトマト、天井を伝う水滴、風にゆらぐ樹々。

本作は、才気あふれる自主映画監督とプロの現場とのコラボレーションによって、質の高いエンターテインメント映画を世に送り出そうというプロジェクトの一環として生み出された。美しい田園、茅葺きの古民家といった光と影が揺らぐ癒しの風景の中で、情けなくのたうち回る人々の姿。滑稽で愛らしい人間の本質がここにある。

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