コメント※敬称略

私はボリビア、ラ・パスのサンペドロ・デ・クラワラ村で生まれ育ちました。クラワラ村は映画で描かれていたウユニで暮らすコンドリたちが送る日々と変わらない生活環境です。学校らしい学校はなく、子供たちが働きに出たり、鉱山へ出稼ぎに行った親たちが帰ってこなかったりすることも普通のことでした。そんな環境から抜け出すことは不可能ではないし、人間ですから人間らしくあたたかい気持ちで生きるということは、生きる環境に必ずしも左右されることではないと思います。
しかし、世界遺産にも匹敵する美しいウユニ塩湖のそばで暮らす人々の生活や私が生まれた村での生活は、今現在も過酷で厳しいものだと言わざるを得ません。人々は着たい服を着ているのではなく、あるものを着ているのに過ぎません。私は、人生や世の中に対して怒りを覚えているのではありません。映画で描かれているような生活が人間らしいのか、日本の子供たちが当たり前のように学校へ通えることが人間らしいのか、その答えは十人十色でしょう。ただ、同じ時代でありながら、ここ日本の生活環境との差は歴然であり、「人間が人間らしく普通に暮らすこと」の差がありすぎることに対して、映画を観賞された方がどのように思われるのか、考えさせられました。
松下監督によってこのような生活があることを映画にしてくれたこと、そして今回それを多くの方に知ってもらうことに対して光栄に思います。あれだけ辛い生活だったけれど、それでも私が生きた人生そのものは美しかったのだと、美しいのだと感じました。松下監督が今後、ボリビアの別の場所でまた美しい映画を描いてくれることを夢みています。

セノビア・ママニ (ボリビアフォルクローレ舞踊家)

絵に描いたような景色ではなく、とても絵には描けないような雄大な自然とそこに流れる風に包まれました。
私はボリビアの民族舞踊(フォルクローレ)を趣味で習っています。これから先、ティンクの衣裳を着て素足でサンダルを履く時、必ずコンドリ達のことを思い出すでしょう。

女性・30代

松下の映画「パチャママの贈りもの」は 塩で描いた最高の映像詩である。

グレゴリー・コルベール (Ashes and Snow制作者)

サルサを踊っている人たちに見てもらいたい。みんながそれぞれに持っている優しさに気づくと思うから。そして、みんな一緒に楽しく生きていく術に気づくはず。

Junko (SALSA CLUB salud! オーナー)

家に何かあったとき、こどもたちは地平線のかなたから、
真っ白な塩湖の世界を全速力で駆け抜け、
何度も、何度も、お父さんに伝えに行く。
スイッチポンがあたりまえの日本のこどもたちに、
ぜひこの映画を見せて、わけもなく一緒に走りたくなりました。

金原由佳 (映画ジャーナリスト)

映像の明るい強い力。ウユニ塩湖、キャラバン、お祭り、山の村々、なんと広々として美しい景色だろう! そしてそこに生きるコンドリ三世代家族と関わる人々のなんと人間的で美しい顔、ありようだろう。

女性・60代

「パチャママの贈りもの」を見て、シンプルな物を持たない生活について考えました。本当に必要な物は何かと自分に問いかけています。とても大切な時間になりました。

女性・50代

絵本のように美しくほっとする映画。

女性・40代

本来われわれ日本人も自然と共生する事で、知恵を得て、豊かにくらしていたのだと思います。アンデスの壮大な風景、そして、劇中に流れる暖かい音楽に心が安らぎます。素晴らしい作品です。多くの人に見てもらいたいと思います。

男性・30代

起きて映画を見ていたのに、眠ったあとのような回復感です。

女性・20代

全てのシーンが絵のように美しい。

男性・20代

空の広さ。青。塩の美しさ。カラフルな色。子どもたち、ひとびとの生き生きした表情☆☆すばらしいと思う。ありがとう。

女性・30代

家族と力を合わせて生きることは素晴らしいと思いました。心の原点に帰れる映画。

女性・40代

この作品を見て、先ず、このような優しい視点と感性を持つ日本人がいることに驚き、感動しました。
中南米の中で最も貧しい国の一つであるボリビア、その中でも最も貧しい地域であるアンデス高地の寒村における農民家族の生活は、貧しく、単調で、非効率なものです。しかし、そこには暖かい人情味があふれています。大自然に包まれ、それと直接触れ合いながら生きる生き方は、自然との共生といえば美しく聞こえますが、実に大変厳しいものです。ただ、それゆえに四季折々に、生の喜びや人の心の優しさを敏感に、そして深く感じ取る感受性を身につけてきているのだろうと思います。
この地域に古くから住む人達は、自分が周囲の人より秀でて、よりよい生活をするよりも、みんなが協同してことに当たりながら一人一人が一定の尊厳さを持てるような生き方を尊重してきたと聞きます。先住民・農民層の強い支持の下、政権に就いたエボ・モラレス現大統領は、自身先住民出身ですが、この国の中期総合開発計画の最上位の目標として、“vivir bien”(直訳で”よく生きる”の意)を掲げています。”よりよく”という比較級ではないところがミソで、アンデスの伝統的な価値観、人生観を反映したものと言われています。
かつて政府の高官に、貧困の厳しさ、開発・発展の必要性、人々が一層の向上慾を持つことの重要性について得々と説得を試みたことがありますが、色々議論した後、先方が最後にポツリと述べた"私たちはそれほど開発・発展至上主義者ではないのです“の一言に、打ちのめされたような衝撃を受けた記憶があります。
“パチャママの贈り物”は、美しい自然の景色、牧歌的な人々の生活を淡々と描いている中で、開発・近代化至上主義への強い警告を含んでいます。全国が、事実上、都市化され、近代文明の恩恵に浴して生きている私たち日本人、特に若い世代の人達が、この作品にどのような反応を示すか、注目したいと思います。

白川光德 (元・駐ボリビア大使)

皆さんは「パチャママ」という名前を聞いたことがありますか?
2009年2月に、南米ボリビアのウユニ塩湖を訪れた私の目に映った先住民の方々の暮らしは、ウユニ塩湖からの自然の恵みを受け、自然と共に暮らす姿でした。この作品の中には、そんな方々の厳しくも美しい自然と共に暮らし、そして常に「母なる大地・パチャママ」への感謝を忘れない姿がとてもリアルに描かれていると思います。
是非、この作品を通して、彼らの暮らしやウユニの自然の偉大さを感じてみて下さい。

中山エミリ (タレント)

美しい映像が名残り惜しい旅の思い出のように心に沁みわたります。
幸運がアルマジロに姿を変えて駆け回るインカの村。
コンドリが旅した景色を私も辿ってみたくなりました。パチャママの恵みを全身に感じながら。

ほしよりこ (漫画家)

自然に感謝して、そこで生きる人々に心が洗われ感動した。
自分の人生を見つめ直すには最高の映画だ。
大人も子供も多くの家族に観てほしい。

大地康雄 (俳優)

映画は、暮しから失われつつある方法を、その祝典としての輝きを残したままに描いている。暖かく素朴なノンプロ役者たち、登場する野生動物、雄大な自然ーパチャママに見守られ、どれもがこの上なく魅力的だ。

デニス・ハーヴェイ (Variety)

なごみました。身体が否応なく和みの地平に連れ去られました。欲をいえば、ウユニ塩湖の風景をもっと見たかったなあ。天を映した白い地上をリャマのキャラバンが行く…。

男性30代

老いも若きも、男も女も、動物も植物も死者すらも、誰もがみな、それぞれの役割を担って、日々の生活を営んでいる。本来あるべき、しかしいまや理想でしかないかもしれない社会構造があるのだ。そのためにこそ、ここでは、他者をいたわり、互いに責任を負い、ルールを必要としている。アンデス先住民の自然のリズムに則ったほんとうの自由、足すこともなく引くこともない完成された世界が心を癒す。いまなら私たちも取り返せるかもしれない、そんな希望に導かれるラストシーンが見事だ。

女性50代

「私達を待ってる人がいる。」ウユニ塩湖の塩をリャマの背に乗せ運ぶ父子。車では行けぬ山間の村々に届けていたもの…それは 心でした。

男性30代

試写で見せていただき本当に感動しました。私はボリビアに済んだことがあり、日本に暮らすボリビアの方々と親しくしておりますが、この映画には本当のボリビアがあります。たくさんの人に見ていただきたい。私にもその応援をさせてください。

男性60代

すごい可愛かった、男の子が。話自体は、生きていくためにお父さんをみて息子が育っていくというあたり前のこと。男の子の恋がとても好き。そして画がとてもきれい。

女性20代

とてもよかった。強引なメッセージやあざといドキュメンタリ手法やうっとおしい教訓、といったわざとらしさがない、誰がみてもいいと思うはず。ドキュメンタリーとも思えるけれどそうではない。多方向から感じとれる。

男性30代

素直にいいと思った。すばらしい。画がきれい

男性50代

最初は目にきて、次に胸を打たれる。浄化される映画体験でした。

女性30代

淡々と流れていて、ちょっと「世界の車窓から」超拡大番外編のようで、押し付けがましくないのがよかった。最初のほうの夕焼け空に遊ぶ子どもたちのシルエット、きれいだった。ウララ、可愛かった。ウララとコンドリが自転車に乗るシーン、「明日に向かって撃て」でポール・ニューマンと女の人が自転車に乗るシーンを思い出しました。

女性50代

今の世の中は、人工の、CGが創り出す世界があふれています。パチャママのおくりものは、そんな世界とは無縁で(もはや無縁でありえないのだが)大地に感謝しながら生きているひとがいること、文化は多様であるからこそ価値があることを教えてくれます。

男性50代

映画が進むにつれ、大きな意味で、本来の、家族の在り方、思いやりの心、生きることのあり方を教えてもらった気がしました。自分がもしもう一度人生を送れるならこんな人間らしい、(人間くさい?)生き方をしたいなぁと真剣に思いました。核家族で自己中心で、コンピューターや携帯電話がなければ他人との接触が出来ない今の日本の人たちに見てもらって、少しでも純粋な心を取り戻してほしいですね。

女性30代

ウユニ塩湖の映像を見ただけで、まずその自然の偉大さ美しさに目頭が熱くなり、演じているとは思えない俳優の顔 動作にも驚きました。人間が、本来生きていく姿を示してくれるような映画ですね。
家族を愛し 自然を愛し、共に学び生きる。そんなあたりまえの生活ができなくなった「現代人」となってしまったことに胸が痛む想いさえ致しました。

飯島晶子 (朗読家)

よい小説を読んでいるような、
そんな豊かな時間と空間を抱えた映画でした。
冒頭のシーン、塩湖の景色は、
まるで、これからはじまる物語の縮図のようです。
ドキュメンタリーと物語の両方が心地よくまざりあった感触も、
不思議と心を落ちつかせてくれました。

長岡香織 (書籍編集)

「パチャママの贈りもの」は、”恵み”の美しさ素晴らしさ、それを受け継ぎつなげることの尊さを真っ直ぐに描いた作品である。
贈り物のリボンを紐解くと、実はすべてが”自然の恵み”によって与えられたものだと確信する。”どんな状況であっても恵まれている私たち”を知るのだ。
表現も創作もそれらを見つめる瞳も作り出す血も肉も、実は全て贈り物だった! 私たちの仕事はそれらを「育てる」こと、そして「つなげること」。見えるものの美しさに圧倒され、見えないものに感謝する、健やかで鮮やかな102分を味わってください。
旅先から大切な人に送る特別なハガキを、一生分観られるような映画です。

金益見 (きむ・いっきょん/大学講師)

pure & pure。

男性40代

この映画にとくに政治的なメッセージがあるわけではないが、スペインに征服された16世紀までインカ帝国の一部として栄えたこのアンデスの高地とニューヨークを、松下さんが7年間も往復してこの映画制作に熱中したのは、この地球上にこうした野草のような逞しい文化が残っていることに感動し、世界は腐敗した強欲だけに支配されているのではないということを言いたかったからだろう。

飯村昭子 (New York Yomi Time)

美しい映画だ。塩湖についての物語から優れた映画ができることを考えもしなかったろう。 だが、この映画は素晴らしい。

Thumbnail (ニューポート国際映画祭)

心が洗われる。

女性30代

大変、映像がきれいで、音楽も大変(私の好きなフォルクローレ)感涙するものでした。

男性60代

ここでは、全ての生命は大地の母“パチャママ”から生まれ、やがて再び彼女のもとへ帰っていくと信じられている。祖父に見た、貧しいが正直な生き方。その日常の暮らしの中にこそ何か大切なものが有るのではないか、、。
夕暮れ時、坂道を村の少女達が笑いながら走ってゆく。この名も無き木の墓標にうっすらとオレンジ色の光が映える。大空をアンデスの風が震える様にふき始めた。
、、、そうだ! この“風”をフイルムに捉えたい、、、。と思った。ここに、この風景の上に吹いている風。この風を撮りたかった。

松下俊文 (監督)

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